自分が開発した技術を海外へ -それが私の夢-

株式会社 日本触媒 村岡 健次
平成4年卒

私は現在、川崎製造所の技術部でエチレンオキサイド・エチレングリコール(EOG)の生産技術に関わる業務を担当しています。

生産技術と一口に言っても、既存プロセスの改良や新規誘導品のプロセス開発はもちろん、材質の腐食問題、原価計算から技術輸出対応まで広範囲にわたっております。現場テストの時にはデータ取りから製品分析そして解析、新設工事では現場の立ち会い、プラントの内部点検をするなど日々変化にとんでいます。

私の部署の特徴として製造部門とのつながりが深いことがあげられます。プロセス改造のための現状調査一つをとっても製造課の方からの情報が非常に重要になってきます。配属後すぐに3ヶ月ほど勉強のために生産現場の実習に入りましたが、実プラントについて無知であった自分にとっては実習から得られたものは大きく、特に製造課の方々と顔なじみになれたことはその後の自分が仕事を行う上でどれほど役に立ったか知れません。

この様な人との関わりを通じして強く感じることは、部署に関係なく全ての人が自社技術であることに誇りを持って仕事をしていることです。プロセス改造のための現場テストでは製造課の方々も皆自社の技術を世界一のものにしようという意識で協力してくれます。また技術輸出業務に関わっていく中では、自社のプロセスが他社のものと比べ、どこに優位性があり、どこが劣っているのかを認識することができ、世界の一流企業と技術的に競争していることが実感できます。日本では自社技術のEOGプロセスで生産しているのは当社だけですし、EOG以外のプロセスについても多くの技術輸出の実績があり、アクリル酸のプロセスでは世界で最も広く用いられているのが日本触媒法です。良く日本の化学メーカーは欧米のメーカーと比較して規模が小さいといわれます。確かに事実ですが、独自の優れた技術があれば、規模の大きな会社に対しても競争力を持ち、海外へも事業を展開できる可能性が十分あるわけです。

入社2年目の私にとっては毎日が勉強の連続ですが、将来私が中心になって開発した新規プロセスのプラントをつくり、最終的にはそれを海外に技術輸出する、これが私の夢です。

知識としての化学だけでは終わらない。
使える化学を学んで、鍛え上げられた人材に。