黒田 一幸 教授

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研究キーワード

メソ構造体、メソポーラスシリカ、シリカ系ハイブリッド、層状物質、インターカレーション

研究内容

ナノレベルで無機化合物を設計する

無機物質化学から無機有機複合系化学を主領域に、美しく有用な物質群の創製と、それらの組成構造制御と機能創製をナノ・メソスケールレベルで達成することを目指している。資源・エネルギー・環境の諸条件を考慮し、分子集合体等の特徴を活用して、学理の創造に繋がるメソスケールの無機有機複合系の材料設計を斬新な発想で展開している。

1. 組成・構造が制御されたメソ構造体の創製

  1. 1988年に、層状ケイ酸塩のカネマイトと長鎖第四級アンモニウム塩との反応生成物が三次元構造を有し、さらに焼成により有機分を除去すると、焼成物がメソ孔領域の規則的細孔を有することを世界で初めて見出した。SiO4四面体が連なった結晶性層状物質である層状ケイ酸塩を出発物質に用い合成条件を制御することで、細孔壁に結晶性を付与できることを明らかにした。
  2. メソポーラスシリカ薄膜のメソ構造の配向制御は、メソチャネル中に取り込んだゲスト種の配向を制御でき、異方的な性質を取り出せるため、大変重要である。我々は、様々なアプローチにより配向制御を達成してきた。配向規制力を有する基板や強磁場により、基板に平行または垂直方向に一軸配向したメソポーラスシリカ薄膜の作製を報告した。実際に、ゲスト種の異方的な光学特性の取り出しにも成功している。
    トップダウン技術で作製したマイクロチャネル中に、界面活性剤の自己組織化を用いたボトムアップ技術によりメソポーラスシリカ薄膜を作製することでも、メソチャネルが配向制御できる。
  3. リオトロピック液晶相を利用して種々のメソポーラス金属・合金も合成しており、骨格組成によらず、ボトムアップとトップダウン技術を融合することにより、ナノ配列の精緻な制御が可能であることを示している。
  4. アルコキシシランの無機部と有機部を設計することにより、様々な規則構造、機能を有するシリカ系ハイブリッド材料が合成できる。アルコキシシランのアルキル鎖が疎水部、シラントリオールが親水部の両親媒性分子となり、自己組織化できるためである。親水部のシロキサン部の設計により、ラメラ、2D-ヘキサゴナル、3D-テトラゴナル構造のメソ構造体を選択的に合成できた。

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層状ケイ酸塩から合成されるメソポーラスシリカの理想構造(左)とTEM像(右)

2. 層状物質からのメソスケール無機有機複合体

層状ケイ酸塩をはじめ無機層状物質は、天然に産出する比較的安価な物質や合成が容易なホスト物質であり、その層間への無機イオンや有機分子の挿入(インターカレーション反応)によりメソスケールを含む異方性高い多様な複合体を形成する。粘土鉱物をはじめとする種々の無機層状物質と色素、高分子を始めとする様々な有機分子とのインターカレーション反応による構造、物性の変化、二次元から三次元への変換、ナノシート化、ナノチューブ形成など幅広い検討を続けている。

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シロキサンオリゴマーの分子設計によるメソ構造体の制御

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略歴

  • 1974 年 早稲田大学理工学部応用化学科卒,1979 年 同大学院博士課程修了 工学博士(早稲田 大学).
  • 1979 年 早大理工学部助手,1980-1981 年 British Council Scholarship(英国アバディーン大 学),1982 年 同専任講師,1984 年 同助教授,1989 年 同教授,2004 年より理工学術院教授. 北大,東大,名古屋大,大阪大他,国私大非常勤講師,2007-2009 年 ストックホルム大学 Affiliated Professor.2002-2007 年 CREST(JST)研究代表者. 日本化学会理事および関東支部長,日本セラミックス協会理事,International Mesostructured Materials Association 会長,ゼオライト学会会長,日本粘土学会副会長,日本ゾルゲル学会副 会長等歴任,Microporous & Mesoporous Materials(Elsevier)アジア地区編集者.日本セラミックス協会学術賞(2007),日本粘土学会賞(1996), 平成 25 年度錯体化学会貢献賞, 平成 25 年度 科学技術分野の文部科学大臣賞表彰(研究部門) (業績名:メソ多孔体合成の先駆的研究), 他.

知識としての化学だけでは終わらない。
使える化学を学んで、鍛え上げられた人材に。