大学院博士後期課程1年 服部浩二

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大学院での研究は「世界で誰もやっていないことができる!」という点が面白いですね。大学院への進学を決めたのもそんな理由からでした。現在は「分子インプリントポリマーのゲート効果を利用した拡散透過速度自動制御膜の開発」というテーマで研究を行っています。分子インプリントポリマーは、化学物質の構造を記憶させた高分子で、抗体のようにある特定の物質に対して特異結合性を示します。このようなポリマーで分離膜を改質すると、記憶させた化学物質の濃度によって、目的物質の透過速度を制御することができます。このような透過速度自動制御膜は、透析治療への応用や、薬物を効果的に病巣に作用させるカプセル (薬物送達システム)、高い感度と選択性をもつセンサー、生体模倣膜など、医療デバイス用素材に幅広く応用することができるんです。

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私みたいに理工系の学生でも医療分野の研究に携わっている人はとても多いんですよ。大学は自分の専門だけに限らず、自分が興味を持った色々な分野の勉強ができるところです。そういった点が、高校までの勉強と大きく違うところですね。早稲田大学には個性豊かな学生がたくさんいます。周りの友人と刺激しあいながら、自分を成長させていくことができる環境は素晴らしいですよ。
(2002年度インタビュー。学年は当時のものです。)

知識としての化学だけでは終わらない。
使える化学を学んで、鍛え上げられた人材に。