エンジニアの夢

住友化学工業株式会社 後藤 滋
平成7年修了

千葉工場は住友化学における石油化学部門の中核工場で、主としてポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニール、ポリスチレンなどの合成樹脂を生産していますが、私の所属する第二芳香族課では、精密化学部門に属するレゾルシノールとその誘導体の生産をしています。

学生時代に化学工学を専攻していた私は、現在プラントの技術解析や増強検討に従事しています。就職を考えている皆さんにとって、化学会社の業種で創造されるのは、研究者あるいはエンジニアであろうかと思います。私は後者の立場ですので、工場での経験をお話しします。

私は、新入社員研修を終えると、現在の部署に配属され、まず現場の交代実習を半年間経験しました。

実プラントについて、まったく知識の無かった私は、この半年の実習経験からプラントの運転に関する多くのことを現地で学び、また、現場の安全に対する意識の高さを理解することができました。

その後、技術スタッフとして収率改善プロセスの最適化検討に携わりながら、増強工事なども担当し、エンジニアとしての知識と経験を積んでいるとことです。

私の場合、大学の講義・研究等で学んだ化学工学に対する知識やデータ解析手法が、設備の化工計算やプロセス設計といった実務に反映されているので恵まれているのかも知れません。

しかし、やはり現在の業務と学生時代に考えたいたそれとはギャップがありました。プロセスを構成する機器に対する知識や新規プロセスをイメージする能力などは、やはり実務でしか身につかないものです。入社してまもなくは、わからないことだらけでそういうものなのだろう、という考えに陥りがちでしたが、最近ようやく「仕事を理解納得せよ」という上司の言葉を理解し、「思考は柔軟に、意志は強固に」という信念をもって仕事に取り組めるようになってきたのではないかと思います。

当社は海外産業の展開にも積極的であり、近い将来自社技術を海外展開するかも知れません。私自身まだまだ勉強中ですが、自分の設計したプラントで、世界を相手にビジネスをするという夢があります。お互いに、夢の現実に向けて、頑張りましょう。

知識としての化学だけでは終わらない。
使える化学を学んで、鍛え上げられた人材に。